2011年に活動を始めたWATALISは、これまで8t以上の着物を扱ってきました。
私たちの元に寄せられた着物地の中から、縁起の良い『吉祥文様柄』を集めて、ご紹介してまいります。
吉祥文様とは、縁起が良く「幸せのしるし」として用いられるおめでたい文様です。たくさんの古い着物地の中から選りすぐった日本の意匠をお楽しみください。
「涼 ~撫子~」
大正から昭和時代に仕立てられた女性の一重の着物の一部です。
爽やかな色合いが、夏の装いを涼やかに見せてくれます。珍しい色調と絹という素材から、着用していたのは豊かな家の子女であることが伺えます。
目の覚めるような艶やかなブルーの着物地に配された撫子は、秋の七草のひとつでもある清楚で可憐な花です。白や淡紅色に咲く様は和歌や文学にも登場し、平安貴族からも親しまれてきました。文様化も多様になされ、女性たちの調度品や衣類に描かれてきました。
中国産の「唐撫子」に対し、日本在来種を「大和撫子」と呼んだことから、日本の女性を花になぞらえて「大和撫子」と表現するようになりました。
撫子の花のように、我が娘が健やかで美しく成長し、末永く皆から愛される存在になることを願う親の想いがこの着物地から伝わってきます。
日本文化の象徴である着物は、限りある大切な文化的資源です。“その美しさを沢山の人に伝え、未来に受け継ぎたい“そんな想いで一筆箋とクリアファイルを作りました。
一般財団法人日本経済研究所の機関紙「日経研月報」の表紙にもご採用いただいております。
https://www.jeri.or.jp/membership/monthly.html
その他の文様についてもご紹介しています。
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